確証バイアスに要注意
こんにちは、片桐茂夫です。
確証バイアスは、聞きなれない言葉かもしれません。
★ 確証バイアスとは
確証バイアスとは、社会心理学の言葉で
自己の先入観に基づいて他者・対象を観察し、
自論に合う情報を選別し受容して、
それにより自信を深め、
自己の先入観が補強される現象です
(出典 : ウィキペディア)
簡単に言うと
人は、自分に都合の良い話を主張するために
肯定的な事実だけに、注目する性質があるということです。
四葉のクローバーを発見したら
何か良いことが起こる
流れ星を見て、願いを叫べば
その願いが叶う
多くの人は、その因果関係を信じています。
実際に、良いことが起きたり
願いが叶った経験が1回でもあれば
それを、しっかりと記憶に刻み込むので
その因果関係を、強く信じたり
友人にその体験談を話して
その因果関係が、正しいことを
一生懸命に主張します。
しかし、よく考えてください。
四葉のクローバーを発見しても
良いことが起こらなかったということも
多くの人は経験しているはずです。
流れ星を見て、願いを叫んだけれど
その願いが叶わないことだって、
あるはずです。
しかし、そんな夢を壊すような
不都合な事実には
普通の人は、見向きもしません。
ちょっと、難しい話をすると
四葉のクローバーの例で
因果関係を、学問的に調査しようとすれば
1. 四葉のクローバーを発見したら
何か良いことが起こる確率
2. 四葉のクローバーを発見しても
何か良いことが起きない確率
3. 四葉のクローバーを発見しないときに
何か良いことが起こる確率
4. 四葉のクローバーを発見しないときに
何か良いことが起きない確率
これら4つの場合のデータを取って
それぞれを比較しなければ、因果関係を証明できませんが
日常生活では、そんな面倒くさいことは絶対にしません。
普通の人は、四葉のクローバーを発見して
良いことが起きたことだけに
注目するのです。
★ 子どもには、確証バイアスが有効
確証バイアスは、
何でもかんでも有害というわけではありません。
例えば、子どもの成長には、
確証バイアスはとても有効です。
腐ったものを食べれば、おなかを壊す
大声で騒げば、先生に叱られる
服が濡れたままだと、カゼを引く
本当であれば
腐ったものを食べなくても、おなかを壊していないか
大声をあげていないのに、先生に叱られることはないか
服は乾いているのに、カゼを引いていないか
などなど、いちいち、確認しなければ
因果関係は証明できません。
しかし、そんなややこしい手続きヌキで
多少あやしいかもしれない因果関係を
短時間で、身に沁みて実感するからこそ
子どもは、急速に成長するのです。
★ 社会人の確証バイアスは要注意
一方、社会人の場合
確証バイアスから抜け出せない人は
逆に、成長が止まってしまうので大問題です。
例えば、上司との会話で
・ 順調な事だけを報告する人
・ トラブルを隠す人
・ 問題を指摘されると、真っ先に、言い訳を言う人
・ 過去の成功を自慢する人
・ 都合の良い事実だけで、自論を主張する人
・ 反証データや意見を素直に認めない人
これらはすべて、確証バイアスから抜け出せない人の特徴です。
上司にとっては、順調なこと、自慢話や、言い訳など
全く興味がありません。
そもそも社会人であれば
99点を取っても、なかなか褒めてもらえません。
それどころか
1点でも不正解が見つかれば、
ひどく叱られてしまいます。
お客様に買っていただく製品は
正常に動作して、当たり前です。
それが、10年にたった1回のトラブルであっても
ひとたびトラブルが起きれば、大問題になるかもしれません。
仮に、お客様の誤った使用方法によって、
トラブルが発生した場合であっても
お客様からは、そのくらいは設計段階で想定して、
きちんと対策していないのはケシカラン!!!
と、怒鳴られるのがオチです。
都合の悪い事実に、きちんと向き合って
あらゆる不都合の可能性を考えて、
トラブルを未然防ぐように
徹底的に努力をしなければ
本当のプロにはなれません。
いつまでも、子どものままでは
ダメだということです。