ワンドリンクカードの法律相談
こんにちは、片桐茂夫です。
当社が開発したワンドリンク自販機で用いるワンドリンクカードについて
勝手に発効しても、法律上問題無いかが
先日、社内で議論になりましたが、
なかなか結論は出ません。
正直、ちょっと、面倒くさいのですが
一度は、法律上の扱いについて、
きちんと調べて、考え方を整理しておくべきだということになりました。
その結論は、
ワンドリンクカードは有価証券の一種ですが
届出の必要はありません。
という、ごく常識的な内容であり、安心しました。
本日は、その根拠について
みなさんの日常生活には、あまり関係無いと思いますが
法律問題のムダ知識として、ご紹介します。
★ 世の中に溢れる金券
SUICAなどの電子マネー、商品券、図書券などは
落としたり、盗まれたりしら大変で、誰でも大切に扱います。
感覚的には、お金と同じなので、
勝手に発行することはできないはずです。
ただ、私の財布の中には、クーポン券、スタンプカード、無料券など
それに類するものは、たくさんあって
果たして、法律上の規制は、
どこで線引きするのだろうということが気になります。
例えば、牛丼屋の券売機で発行される食券はどうでしょうか?
食券を持っているから、牛丼が食べられるわけで
食券には、牛丼1杯分として支払った金額の金銭価値があります。
牛丼を食べた後に、次回、トッピング無料券を貰ったらどうでしょうか?
牛丼1食ごとに1つ、スタンプカードに印を押して
10個貯まれば、ドンブリ1個プレゼント
そんなドンブリ、いらねーよ
だんだん、価値が下がります。
それ以外にも
映画館、競技場への入場券
交通機関への乗車券、回数券
宝くじ、馬券
見せれば5%引きの会員証……
そして、当社が開発した、ワンドリンクカードは
自販機に入れると、ドリンク1本ゲットできますが
これって、どうなのよ???
悩みは広がるばかりです。
★ 専門家の見解
ネットで調べても、よく分からないし
勝手に誤解して、法律違反で捕まっても困るので
専門家の見解を伺うことになりました。
早速、顧問弁護士にメールで問合せると、
以下のメール回答が飛んできました。
一般に,権利の行使または移転にその証券の占有を必要とするものなどと整理されます。
有価証券にあたるものとして,手形,小切手はもちろん,定期券,商品券,ビール券等です。
同様に,ワンドリンクカードも,
使用することでジュース一本と交換できる権利を化体した証券ですので,
有価証券に該当するでしょう。
なるほど、なるほど、ついに
有価証券という、専門用語が出てきました。
それでは、有価証券を発行する場合、
届出は必要なのでしょうか?
顧問弁護士の回答は
金融商品取引法上の有価証券は,
①権利が証券または証書に表示される有価証券
②権利が証券または証書に表示されないみなし有価証券
に大別され,本件,ワンドリンクカードについては,
金融商品取引法上で例時列挙されている有価証券には該当せず,
また,その実態を見ても投資,市場での流通という要素がありませんので,
有価証券には該当しないと解されます。
だから、発行の制限は無く、届出も不要だということです。
念のため、文京区湯島の関東財務局東京財務事務所にも出向いて
直接、担当者と面談して確認しましたが、
問題は無いようで、ホッとしました。
これからは、自信を持って、ワンドリンクカードを発行できそうです。
★ 専門家とのキャッチボール
当社の場合、弁護士、税理士、社労士、司法書士、弁理士、建築士
といった専門家と、日ごろのお付き合いがあって
突然、問題が勃発すると、メールや電話で問合せて
直ちに、回答をいただけます。
顧問弁護士への相談は、いつもメールでやりとりしています。
日中に発生した難しい問題は、
その時点では、なかなか考えがまとまらないので
まずは、ぐっすり寝て、起きて
早朝、頭がスッキリしているときに
質問の文章を、じっくりと考え、丁寧にまとめあげて
弁護士宛に送信しています。
すると、弁護士からは、いつも夜9時ころに、メール返信があります。
さらに、追加質問があれば、また翌朝ということで
1日1往復のキャッチボールが、問題解決まで続きます。
今回の問題は、2往復で解決でしたが
もうひとつ、現在進行形の別の問題は
ちょっと、ややこしくて、今、5往復目に突入しています。
当社が手がける技術分野は、どんどん広がっているので
専門家とのネットワーク作りが、
とても大切であり、感謝しているし
絶対に必要だと思っています。